「看護婦たちからも良く言われるのは、美容外科の雰囲気はどちらかというとエステティックに近いイメージがあるけれど、赤坂クリニックはいかにも病院って感じがするっていうんですよ(笑)」と、いつもニコニコの吉家ドクターは赤坂クリニックの院長先生。3年前の取材の時、趣味がマージャンと素直に答えてくれた可愛い(失礼)面をもつ先生で、現在魚釣りにもはまっているという。実際、来院する患者さんからの信頼も厚く、何でも気さくに話せる雰囲気が人気を呼んでいるようだ。美容外科っぽくない理由には、院内のつくりだけでなく、町のみんなが何でも気軽に相談をしにくるそんな町医者のイメージがあるからではないだろうか。赤坂クリニック、そして吉家先生が目指している美容外科はどんなものだろうか。
「美容外科医のなかでもいろんな専攻を受けた人がいるけれど、僕自身は九大の皮膚科出身なんで、美容外科の手術のなかでも皮膚に関することのほうが得意なんです。九大には美容外科の基本となる形成外科がなかったため、皮膚科の中にそういった形成外科の診療班というのがあって、そこで専門医の資格を取りました。ただやはり皮膚科の中でトレーニングを積んできたので、僕の形成外科の技術はどちらかというと皮膚科よりなんです。骨を動かしたり、削ったりとかの手術よりも皮膚を上手に扱う方が得意ですし、専門ですね。赤坂クリニックはそんな僕が手術を中心に行っているので、どうしても皮膚に関する悩みの患者さんが多いし、自分でも得意分野を活かしたいと思っているので、自然と美容外科という雰囲気よりも皮膚科の病院のイメージが強くなってきていると思います。」
以前取材をおこなったときも、「美容外科の技術は医学的知識を前提とした職人芸」といい、「同じ食材でも、美味しさに差がでてくるように、手術者によって同じ患者さんでもその出来上がりには、大きな差がでてくる事も予想される」と語っていた。例えば私たちにもいろんな料理はできるが、得意な料理ほど自信を持って作ることができる。吉家先生の手術も同じ事が言える。
きちんとリスクを考えた上で、もう一度決断しても遅くない。
「一言で皮膚科が得意といっても皮膚の老化がシワになって、皮膚の色が違うのがシミやホクロ・アザであって、範囲でいうと皮膚外科の範囲はすごく広いんですよね。最近では、ケミカルピーリングや脱毛とかエステよりの美容外科の内容も多いんだけど、皮膚の知識がすごい役にたっているんです。逆に知識がきちんとないと難しいと思いますね。例えば、ケミカルピーリングひとつをとっても、外国で実証されたものでも日本人にそのまま使用すると大変なことになる場合もあります。皮膚組織の違いだったりするんだけど、あくまでも安全性を追求したものでなければいけないから、簡単には勧められない。美容外科全般に対しても言えることなんだけど、手術をすれば必ずハイリスク・ハイリターンがあるんです。リスクが少なければ、問題ないのですが、ハイリスクがあるために安易には勧めない。医療は結果が出ないといけないし、患者さんもそれが希望でくるわけだから。」
何でも話しやすい先生に相談するのが一番。
患者さんの希望だけでなく、それに伴うリスクをきちんと考えた上で、手術を決めているからこそ赤坂クリニックでは、カウンセリングにじっくり時間をかける。
「普通の病院と美容外科の大きな違いは、普通の病院は病気に対して治療を行うのであるから患者さんからこういう風にしてくださいという希望はないし、ドクターがこうしましょうと言うこともない。だけど美容外科の場合、ある程度手術するドクターのセンスに任せるという部分はあると思うから、患者さんがこういう風にしてくださいと注文したとき、不自然と思えば僕は手術を受けません。それが普通と思うし、患者さんと話をして希望のものに納得出来なければ、僕としてもしないほうがいいから。
ただ、
客観的にみて経営者という立場で言えば、考えものだけどね(笑)」
手術を受ける前に必ず自分が患者さんの身内であったとき、本当に勧めるものかどうかを考えるという吉家先生。だからこそ、患者さんも先生にいろいろな悩みを話しやすいのだろう。「意味のある手術かどうかを正しく判断したい」と一生懸命に患者さんのことも思う先生は、やはり町医者的なイメージがピッタリくる。
これからの美容外科はこうなる。
一つの地域に美容外科が密集しているのは無駄だと思うので、一つのビルにみんな集まってそれぞれ得意分野の手術を行う。そうしたら、設備にかける費用も諸経費や広告費も負担が少なくなって、手術も安くなるという仕組み。結構いい案だと思うけどなあ。実は、これ僕の夢なんですけどね。 |